火伏せの神
秋葉大権現をまつる
小さな祠 聖石神社
群馬県高崎市片岡町にある火防・除災の祠。
かつて、この地は水火の災害に見舞われることが多くありました。
災害によって最後を遂げた魂の弔いと地域の平穏無事を願い、
地元旦那衆によって昭和二十七年に建立されました。
歴史と由緒
烏川中流の河原に、高さ八尺 幅三間あまりの巨大な泥石があります。弘法大師が腰をかけたという伝説が残るこの巨石は、烏川のはるか上流 榛名山噴火の際の泥流にのって流れてきたといわれ、「泥(ひちり)石」が訛って「聖石」と呼ばれるようになったといわれています。
佐野橋 下流の「赤石」、一本松橋 上流の「川籠石」と並び、"烏川三銘石"と呼ばれ、古くから信仰の対象でありました。
烏川右岸地域は、荒れた烏川によって水害を被ることが多くありました。
水害だけではありません。戦中・戦後、時代のうねりの中で烏川右岸地域は発展してきましたが、反面、大火に見舞われることも重なりました。
堤防の完成などで水害は少なくなったものの、これまでの経緯から住民の不安が消えることはありませんでした。
昭和二十七年、地元有志の旦那衆が、遠州 秋葉山 秋葉神社から火伏の神の御霊を分祠し、「聖石」があるこの地域の名を神社に冠して、水火の災害によって最期を遂げた魂の弔いと、未来永劫に渡る平和を祈念したのが聖石神社の起こりとされています。
小さな神社ではありますが、地域住民によって守られ、火防・除災の社として信仰されています。
↑ 昭和10年 大洪水時の烏川
(出典 『写真集 明治大正昭和 高崎』 著:田島武夫 出版:東京図書刊行会)
お知らせ
電車でお越しの方
- JR高崎駅西口から徒歩約22分
- JR高崎駅西口から高崎市内循環バス ぐるりん 観音山線で「片岡小学校」で下車し、徒歩約2分
※ 駐車場はございません。ご了承ください。